キシリトールで虫歯予防。その効果的な摂取の仕方とは
テレビCMの影響もあって、「キシリトールガムが虫歯予防に効果的」ということをご存知の方は多いと思います。自然由来の食品であるキシリトールガムは、虫歯菌の数を減らすことはもちろん、虫歯になりかけた部分を再生させる「歯の再石灰化」効果まで発揮します。ですが、それは摂取の仕方によります。噛み方によって、キシリトールの効果は大幅に変わるのです。ここでは、効果的なキシリトールの摂取方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
そもそも「キシリトール」って何でしょう?
キシリトールは、白樺や樫の木などに含まれる成分を原材料として作られた天然の甘味料です。糖アルコールの一種で、砂糖と同等の甘みがあるのにカロリーが4割ほど低いとあって、ダイエット食品としても注目されています。
キシリトールは、いちご、ラズベリー、プラム、ほうれん草、カリフラワー、レタスなど、身近な果物や野菜にも含まれています。しかし、そういった食品に含まれるキシリトールは微量なため、虫歯予防に必要なキシリトールの量を食品から直に摂取するのは非常に困難なのです。
天然の甘味料であるキシリトールは、FAO(世界食糧農業機関)・WHO(世界保健機関)合同食品添加物専門家委員会(JECFA)で、安全性が高い食品添加物だと承認を受けています。ですが、一度に大量に摂取しすぎると、下痢を起こすことがあります。虫歯予防に効果的だからといって、必要な量以上に食べすぎないように気をつけましょう。
どのガムを選べばいい?ガムを噛むタイミングは?
キシリトールガムは、含有している甘味料の50%以上がキシリトールであるものを選びましょう。その点、歯科医院でのみ取り扱っているキシリトールガムは、キシリトール100%です。虫歯予防には最適といえます。
キシリトールガムを噛むタイミングは、「食後30分以内」が最適です。虫歯菌は、食後に口腔内に残った糖やタンパク質を餌にして歯を溶かす酸を作ります。そのため、食後にキシリトールガムを噛むと、虫歯菌が餌の糖分と間違ってキシリトールを取り込みます。キシリトールを取り込んでも歯を溶かす酸は作ることができず、虫歯菌は死んでしまいます。そのため、食後はできるだけ早くキシリトールガムを噛むと良いでしょう。
「歯をブラッシングする前」も、キシリトールガムを噛むオススメのタイミングです。キシリトールには、歯垢のベタつきをサラサラに変える効果もあるので、歯を磨く前に噛んでおくと、ブラッシングで歯垢を落としやすくなるのです。
虫歯予防に効果的なキシリトールガムの噛み方とは?
キシリトールの成分は、キシリトールガムを噛み始めた最初の段階で最も多く出ます。そのため、噛み始めの時に出た唾液は、できるだけ長く口の中に留めるようにします。そうすると、唾液に含まれたキシリトールが虫歯菌に影響しやすくなって、虫歯予防の効果がアップします。
虫歯予防に効果的なキシリトールの摂取量は、1日トータルで約4~10gです。それに対し、1粒のガムに含まれるキシリトールは、ガムにもよりますが約1.3g。一度に噛むガムは2粒にして、1回につき5分以上、1日2~3回、噛むようにします。これを長く続けていくうちに、虫歯菌が減っていきます。唾液をたくさん出す、必要な量を食べきる、これを継続していくということがポイントです。
まとめ
キシリトールガムで、効果的に虫歯予防を行うには、ただガムを食べればいいというわけではありません。食べ方にもコツがあるのです。まずは、キシリトールの含有量に気をつけて、ガムを選ぶことから始めましょう。